イケウチな人たち。

by IKEUCHI ORGANIC

好きな人たちと考える、これからの豊かさ

イケウチな人たち。について

お客様に心底薦めたい「続く」モノだけを選びたい。美容室「らふる」店長・中村さんの審美眼と哲学

- 美容室「らふる」 店長 中村拓郎 -

「これでいいか」と選んだり、「安いから」という理由で選んだモノを、ずうっと長く使い続けたことは、ありますか?

身の回りのモノを「すべて」こだわりのモノに変えることは、なんだか少し窮屈だし、お金だってかかりますし、現実的ではないかもしれません。

けれど、じゃあ身近な「何か」から始めてみるのはどうでしょう?

たとえばタオル。部屋にひとつ置いてあるだけで、なんだか風通しがよくなるような、気持ちが清々しくなるような、「よい空気」をまとったタオルです。

豊かな暮らしの第一歩

その選択を、「美容室」という単位で実行したお店があります。それが、東京・北参道にあるオーガニックサロン「らふる(laughful)」。

インタビューさせていただいた伊佐は、らふる店長の中村さんの「モノの選び方」にこそ、現代の「豊かさ」のヒントが隠れているような気がしました。

中村さんのモノ選びの基準、美容室の持つ「社交場」の意味と、そしてそれが今を未来につなげていくかもしれない、という素敵な関係性のお話です。

左)店長の中村拓郎さん 右)インタビュアーの伊佐知美

「末長く楽しめる髪をあなたに」らふるとは?

らふるは、2017年5月にオープンした美容室です。

店主は30代の中村拓郎さん。美容学校時代の同窓生で同志の安田悠人さんと、以前から知り合いだった成田明紀子さんの合計3名がスタッフ。なんと全員が店長経験者で、飛び込みのお客様は受け付けず、基本的に完全予約制でお客様をお迎えしています。

左から、安田さん、中村さん、成田さん

lauhgfulは、笑い声を表す「laugh」と、満ちるを表す「ful」の造語

店内のイメージは「日本好きの外国人の部屋」。中村さんの好きな禅の精神を盛り込む。

お店のコンセプトは、「末長く楽しめる髪をあなたに」

Laughfulでは、いまと同じように、皆様がいつまでも楽しむことのできるヘアスタイルをご提供できるよう信頼できるたくさんのオーガニックなアイテムを中心に取り揃え、心地よいサロン作りを心がけています。それは……アレルギーをお持ちのあなたにもアレルギーが心配なあなたにもお肌が弱いあなたにも未来のあなたにもいつまでもこれからも髪を楽しんで欲しいから。(らふる公式サイトより)

実現したいのは、お客様が髪を長く楽しめるようになる世界。

たとえば、過去にカラーリング剤がしみて痛かったから「もうカラーは楽しめない」と諦めている方も、自然由来成分たっぷりの「オーガニックカラー」や、アレルギーが発症しづらい「ノンジアミンカラー」を試してみたら、もう一度カラーリングが楽しめるようになるかもしれません。

もちろんお客様の希望によっては、パーマ剤など、ケミカル剤が必要なシーンもあります。けれど、そういった場合も髪と地肌に極力負担をかけないように配慮し、炭酸泉クレンジングなどのアフターケアを無料で施術することにしています。

「前のお店でオーガニックに出会い、魅力に目覚め、仕事はもちろん自分に子供ができたりとライフステージが変わる中で、オーガニックの良さを突き詰めて考える時期がありました。

オーガニックを追求しすぎると、化学的な要素や添加物を、否定するようになってきます。でも、本を読んだり、人と話したりする中で『オーガニックはオーガニックで良いのはわかるけれど、ケミカルは本当に良くないのだろうか?』とも考えるようになりました。

たとえばメイクは、気分を高めるために生まれたモノで、何も地球を悪くするために生まれたモノではありません。ケミカル剤を駆使したグリッターメイクや、ラメのメイクは良くないのか? いや、そんなことはない……。生まれた経緯や作り手のことを考えた時、オーガニックばかりに偏重するのは、すごく寂しいことだなと思ったんです(中村さん)」

では、どうやったら共存できるのだろうか―――? 
いい塩梅のバランスは、どこだろう―――?

中村さんが長い時間考え抜き、腑に落ちた結果が、美容室らふるという形でした。

中村さんが開発から携わった、オーガニックブランド「THE BIO HOTELS」のシャンプー。

「髪と地肌にやさしい薬剤を採用することは、ひいては環境を守ることにもつながる」と中村さん。らふるのアプローチを通じて、「持続可能な美容室の形」も探っているのです。

モノ選びの基準は「長く使えるかどうか」そして「本質的かどうか」

らふる店内には、ヘアケアに関するオーガニックアイテム以外にも、中村さんが選び抜いたこだわりの逸品が並びます。

「モノ選びの基準は、長く使えるかどうか。そして本質的かどうかです。それは結果的に、地球の持続可能性を考えることにもつながります(中村さん)」

たとえば、お客様の大切な洋服をお預かりするハンガーは、1961年から続くイタリア最大級のハンガーメーカー「MAINETTI(マイネッティ)」のモノ。その軽量性・耐久性・高級感から「世界トップクラスのハンガー」と称されています。

お客様の肌に触れるひざ掛けは、広大なニュージーランドの大自然の中で生きるストレスレスな羊の毛から作られた、丸洗いできる「メリノウール」。

らふる内の空気を彩るのは、世界最古の薬局として800年の歴史を誇る、イタリア・フィレンツェの「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のポプリ。また、お花は同時期に北参道エリアにオープンした、価値観を共有できる「VEIN」に、らふるの雰囲気や時々の気候・季節に合わせたブーケを作ってもらっています。

「直接お客様の髪に触れるモノでなくとも、らふるに置くモノは、想いのこもった逸品だけに絞りたい――」。中村さんは、その想いから、モノを選ぶ時は「その道のプロ」に相談することにしているそう。

お客様と企業をつなぐ「社交場」でありたい

らふるは、ただ質のよいモノを取り扱うだけでなく、「それがお客様に胸を張って紹介したくなるようなモノか?」についても徹底的に考えます。

「少し余談になってしまいますが、僕はホテルの『星野リゾート』や和菓子屋『HIGASHIYA』が大好きです。

それは、本来の商品である宿泊部屋や和菓子以外にも、たとえばロビーや廊下の小さなインテリア、和菓子を置く器や菓子切りなど、細部に至るまでこだわりが感じられるから。「これは一体どこで買えるんだろう?」と気になって、つい手に取ってしまうこともしばしばです。

ヘアサロンの『サロン』も、元は『社交場』という意味を持ちます。ここも、星野リゾートやHIGASHIYAと同じように、らふるに協力してくれている企業と、お客様をつなぐ場所でありたい。

難しいことを抜きにして、お客様に「これ欲しいな」と言っていただけるモノかどうかも、僕がセレクトする上での大切な基準です(中村さん)」

中村さんの価値観に沿い、タオル部門で選ばれたのが、IKEUCHI ORGANICのタオルです。

店内のタオルは、IKEUCHI ORGANICの「オーガニック 120 フェイスタオル」で揃えられている

お客様の髪を切るときに襟に巻くタオル、シャンプー、ドライ、カラーリング、トリートメントなど美容室で想定される、タオルの登場シーンほぼすべてにIKEUCHI ORGANICのタオルを使っている

「美容室のタオルって、すごく安くて消耗品のイメージがあると思うんです。消費社会の現れというか……。だから、出店前から1枚のタオルを大事にしたいという想いがありました。それで、らふる出店に際して、大事にしたくなるタオルを探してみたんです。

そして、探して見つかったのが、今や大好きなIKEUCHI ORGANICのタオルでした(中村さん)」

美容室ですから、タオルが汚れることも当然あります。そんな時は、1枚1枚メンテナンス。中村さんは、その手間も愛おしいといいます。

「もともと『タオルを汚すような仕事は、プロじゃない』という気持ちがあります。タオルを汚すって、タオルがなければお客様の襟を汚してしまうということですから。それはやっちゃダメだろうと昔から考えていました。

お客様は、オシャレになりたくて美容室にいらっしゃいます。もしかしたら、中には一張羅の方もいらっしゃるかもしれない。高校生の時になけなしのお金で買った3万円のシャツをお召しの方がいるかもしれないし、どんな思い出が詰まっている洋服か分からないから、できる限りそれを大切にしたい。その気持ちと同じように扱ったら、タオルもきっと汚れないと思うんです(中村さん)」

らふる店内に干されるたくさんの「オーガニック 120 フェイスタオル」

シャンプー後は、ホットタオルで目を覆うサービスも。その気持ち良さにやられて、今では北参道に位置するらふるでIKEUCHI ORGANICのタオルに出会ったお客様が、帰り道にその足で表参道にあるIKEUCHI ORGANIC 東京ストアに寄り、タオルを買って帰るケースも少なくないのだとか。

本当にお客様とモノをつなぐ「社交場」として機能しているらふるには、ただただ頭が下がります。

トイレのタオルも、IKEUCHI ORGANICのハンドタオルで揃える徹底ぶり。驚くほどのスピードで使われていくのだとか。

予約が取りづらくなっているらふる。次回予約で貯まるポイントでもらえるプレゼントのうち、一番人気があるのがIKEUCHI ORGANICのタオルだという

これからも、お客様の髪と地球が長く続いていくために

美容室という枠組みを超えて、「オーガニックとケミカルの間」や「持続可能性」について考えを巡らせ続けてきた中村さん。そういえば、「美容師としての中村さん」は、どう在りたいのでしょう……?

「最近、美容師という仕事は『お客様の朝の時間を10分縮める仕事』なんじゃないかと思っています。

僕は、美容室でヘアスタイルを作り込みすぎることは、あんまり良くないなぁと考えていて。なぜかというと、髪を扱うシーンを考えた時、圧倒的に多いのは自宅でのセルフセットだから。『これなら自分でもできそう』という半歩先のオシャレを提示して、それを時間をかけずに再現していただくことが大切なのではないかと。

もし朝の時間を10分縮められたら、1年間で3,650分の時間が浮きます。その空いた時間で、何をしてもらうか。子どもと過ごす時間を少しでも増やしたり、自分のために使う時間やバリエーションを増やしたり。そういった積み重ねで、社会がいい方向に転がっていったらいいですよね。それもひとつの、オーガニックの形というか(中村さん)」

中村さんが一番得意なのは、カット。その人にぴったりの髪型を一緒に探してくれる

「これからも、お客様の髪と地球が、長く続いていくために。ファッションではなくライフスタイルとしてのヘアスタイルや、サロンの在り方を提案し続けていきたいと思っています。その道は、できたら店に置かせてもらっているモノを作り出している企業さんたちと、並走しながら行けたら(中村さん)」

使い捨てのモノが増える世の中で、私たちはこれから何を選び、傍に置き、暮らしていくのか? 

それは、「何を次の世代や地球につなぎ残していくのかを考えること」と同義なのかもしれません。

美容室 Laughful(らふる)
執筆:伊佐 知美/撮影:木村 雄司/編集:藤村 能光

WRITER

ライター / フォトグラファー
1986年新潟県生まれ。横浜市立大学卒。三井住友VISAカード、講談社勤務を経てWaseiに入社。どうしても書き仕事がしたくて、1本500円の兼業ライターからキャリアを開始。現在は世界各国、日本全国を旅しながら暮らしています。とにかく旅と写真と文章が好き。

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